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日本語を書きたくなったら更新されるブログ

青森紀行ノ二

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一両編成の列車で浅虫温泉へと向かう。
一時間に一本程度の列車だからか車内は思ったより人が多い。
家族連れの旅行者と地元の人が半々といった具合で、それぞれ本やスマホで暇を潰しているようだ。
会話は少なく列車の音が響く。

窓の外は白く曇っている。

偶然にも九州へ出張していたことで、
東京での雪を体験しそびれた身からすると尚更新鮮な景色である。
列車から見える家々には人がいる気配は感じられない。
雪が音と共に吸い取ってしまったのだと思う。
静かとは趣の違う静寂さを見る。
目的地へ向かう最中、列車が駅に停まる度、僕はボタン式のドアを愛おしく感じる。

大抵の都会人はその存在を秒速五センチメートルで認めただろうが、私はその前に群馬へ旅行に行った際、すでに出会っていた。 初めて出会った時、戸惑ったことは言うまでもない。

ボタンを押してドアを開ける、閉める、ただそれだけのことに人の意思を感じるからか気を向けてしまう。
時折人が乗り込み冷えた外気が入り込むものの、閉め切られた室内はむしろ都会よりも暖かい。

窓の外は白く曇っている。

北国に来たのだ。

青森紀行no1

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青森を選んだことに特別な理由はない。
強いて言うなら行ったことがなかったから、今が冬だから、くらいなものである。

だから青森の中で行きたいと思う場所も特にないのだ。
個人的には旅はそれくらいのもので良いと思っている。
だが、いざ行くとなればなんとなく理由が欲しくなる感覚もあり、青森だったら何があるかに想いを馳せる。

僕はやはりシャーマンキングのことを想う。

シャーマンキングといえば、
打ち切りがあった際、まだ小学生だった。
当時は打ち切りという概念を知らなかったこともあり、
再開されないことに対する疑問と早く続きが読みたい欲求とで、
長らくモヤモヤしていたことを思い出す。
友達と夕暮れ時の公園で飛行機雲を眺めながら、
そのことについて話したことを今も覚えている。
それくらいには好きだったのだ。

そう言うわけでシャーマンキング所縁の地を改めて調べてみる。
オー・ルヴォワール。やはり恐山だ。
物語を思い起こしながら行くための足を調べてみる。
するとどうだろう。遠い。時間がかかる。
旅に来ていつも感じる感覚だが、日本だって当たり前に広い。
どこへ行くのだってそれなりに時間はかかるし、
そもそも車でないとなかなか行けない場所の方が多い。
同じ県内だから、などという感覚は以ての外なのだ。
いや、東京にもそう言う場所はあると思うかもしれない。
しかしながら、僕の感覚ではそこは東京ではないのだ。
東京都ではあるかもしれないが。

この旅に車は用意していない。恐山はまたいつかの旅に預けることとした。